看護部門
高月整形外科病院には、仕事中、普段の生活、スポーツ中のケガなどの外傷、先天性の機能的・形態的障害を持つ方、加齢に伴い慢性的な疾患を持つ方など様々な患者様が来院されます。
患者様は医療機関を訪れ、診察を受け、検査治療を受けることに対して、不安をお持ちです。
看護スタッフに対しては、患者様が置かれている状況を考え、「自分だったらどう?」と置き換え、看護部基本方針に基づき、看護するよう指導しています。
入院患者様は、緊急入院の方も多く、平均在院日数も8日余りと短期のため、即時に患者様=看護師の関係が成立できるようなコミュニケーション能力も大切なスキルであると考えています。
また外傷による切断指による 再接着の手術症例、脊椎手術、専門性の高い手術症例が多いため、患者様に対しての 手術後の状態管理は、専門的な知識と技術を求められることになり、看護スタッフは より高いケアができるよう カンファレンス、学習会などを開催し、チームで取り組んでおります。
患者様一人一人の個別性を踏まえた上で、看護師として対応する時間と質を瞬時に見極める姿勢が大切と思っています。
看護師の人員配置など体制
外来、手術室、病棟の3部署に職員を配置しています。
外来は、本院の高月整形外科を中心として、各分院とネットワークを結び、患者様がどの外来を訪れても困ることのないよう連携を取っています。
手術室は週3回の手術日に加え、緊急手術も受け入れているため常時専属の看護師を配置し対応をしています。病棟は31床と少ない病棟ですが、稼働率は概ね90%を維持しています。
看護1単位、一般病棟入院基本料13:1を取得しており、看護師配置率も80%以上を維持しています。
外来
- 外来は、看護師 6名 ・臨床検査技師 4名・看護助手3名総勢13名のスタッフがいます。
加齢やリウマチに伴う変形性疾患など様々な患者様が多く、1日300〜400名ほどの患者様が来院されます。
医師や外来スタッフ間で連携を取りながら出来るだけお待ちいただかないよう、スムーズに外来受診していただけるよう、日々業務を行っています。
突然のケガでの手術や入院で不安や心配がたくさんの患者様にも、できるだけ安心して手術や入院生活に入れるよう声をかけています。
診察室は 1〜7番までの部屋があります。
スペースは狭いですが、プライバシーは保護されるよう配慮がされており、レントゲンが一緒に見れるモニターがあり、すぐに処置が出来るよう処置台が近くにあります。
7番の診察室は、救急車の出入り口と直結しており、救急搬送された患者様や緊急処置が必要な患者様などにつかわれています。
手術室
- 手術室ではあらゆる角度から患者様を観察し、最も良い状態を維持し手術を受け終えられるよう看護します。
医師やその他の医療従事者と協力のもと、患者様の生命の維持・安全・安楽・安心を提供します。
外傷で切断された指の再接着の手術や、手根管症候群、CM関節症など手指の専門的な手術が行われています。
また手指切断後に足趾を移植したり、神経や腱の移行術など、特殊な手術も年間数例あり、神経や血管など細かい部分の手術は顕微鏡を使っておこなわれます。
その他にも内視鏡を使用した膝の手術や脊柱管狭窄症、腰椎ヘルニア、頚椎症などの腰専門の手術、鼻骨骨折や眼瞼下垂など形成外科・美容形成の手術も行われています。
【手術室】3室
【診療科】整形外科・形成外科 他
【年間症例】3,000件
病棟
- 整形外科の中でも手の外科を専門として治療を行っています。切断された手指を手術室で再接着し、病棟ではその後の管理をしています。
血管がつまらず通っているか、神経がつながっているかなど、昼夜問わず指の状態をチェックしたり、24時間の点滴管理をしたりします。
他にも、手足の骨折、脊椎手術なども行われています。
主に全身麻酔で行われることが多いので、手術が終わり、病棟に戻ってきたときの呼吸状態や意識の状態、手術したところや、それ以外の場所など全身状態の観察はとても大切になります。
また術後の痛みは患者様それぞれですが、できるだけ痛みが減るように看護させていただいており、かつ患者様が安心して手術後も過ごせるよう努めています。
突然の怪我で手術、入院生活を送る戸惑い、回復するかの不安、また将来に対する心配などなどたくさんあると思います。
なかなか恥ずかしくてお願いできない…こんなこと言っていいのかな?と思うようなことも、気軽に相談してもらえたり、遠慮なくお申し付けいただけるような雰囲気でありたいと思っています。
病棟看護師は、年齢・経験共に中堅者が多く、整形外科はもちろん、内科 ・小児科 ・老人 ・精神などあらゆる医療分野を経験した看護師が集ってきています。
個々経験・知識、個性や人柄などを生かし、患者様に起きていることを見つけ、どのような対応をしていくのが必要か、常に話し合い柔軟に考えられるようなチームナーシングを目指しています。
看護部基本方針
- 患者様一人一人を尊重し、人間の尊厳を守る
- 看護師の行動の基本は、人間の生命及び権利の尊重である。私達は判断及び行動には高い倫理性が求められる。看護師は患者様の個人情報の保護や自己決定の権利を尊重し、 親切丁寧に関わる。
- 患者様の安全を守る
- 看護師は対象となる患者様の生命・人権が脅かされないよう正しい知識と技術で適切な看護を提供する責務を負う。
- 看護の行為とその結果に責任を持つ
- 看護師は自己の能力を常に認識して看護実践を行い、結果について責任を負う。
不適切な判断に気付いた場合は、「正しい道義」すなわち「正義・公正・道徳」を持ち行動する。 看護は人々との間に築かれる信頼関係に基づいて成立する。 - 看護師として自らの研鑽を積み、質の向上に努める
- 看護師が患者様の健康上のニーズに対応していくためには、専門的能力が要求される。
看護師は、看護実践、看護管理、看護教育、看護研究の望ましい基準を作成し、活用する。
専門的知識・技術の向上に努め、看護学の発展に寄与する。 - 医療チーム間の連携を図り、誇りの持てる職場環境にする
- 医療人は「患者様に対し最善を尽くすこと」、すなわち「患者様の健康回復」のために共通の価値として協働する。
そのためには、医療チーム間の相互の創意・工夫・努力を結集して対応する姿勢を持つ。